安っぽいスパンコールが目に眩しく、横のスリットが深いチャイナドレス。
ヒラヒラウスウスの、ノースリーでミニのワンピース。
青島はそれらの服を目の前に、過去に無いくらい苦悩していた。
その横では、すみれが満面の笑みで立っている。
「どれがいい?青島君の好きなの選んでいいのよ?」
好きなものなんかあるわけがない。
青島はげんなりしながら、すみれを睨んだ。
「・・・他にないわけ?もっとましなの」
「あら、贅沢ねぇ。素敵じゃないの、このワンピースとか」
「すみれさん、着れば」
「いやよ、こんな寒そうなの」
人事だと思ってか、好き勝手なことを言うすみれ。
青島は深いため息を吐いた。
「いい加減、諦めなさいよ。潜入捜査やるって言ったの青島君でしょ?」
確かに袴田に潜入捜査を頼まれて、内容を聞きもせずに頷いたのは青島だ。
だからって、素直に捜査に行く気になんて、どうしてもなれない。
「潜入先がゲイバーだなんて聞いてなかった」
「事件を選り好みしないの!」
すみれの言っていることは最もだが、そんなに楽しそうな表情で言われては説得力も半減だ。
据わった目ですみれを睨む青島。
「顔に描いてある」
「え?」
「ナニが起こるか楽しみvって」
「や、やあね。人聞きが悪い」
すみれは頬を撫ぜながらすっとぼけた。
そして、さりげなく話を逸らす。
「そういえば、室井さんには言ったの?」
「・・・・・・まだ」
「ちゃんと言っとかないと、後々面倒なことになったら困るわよ〜?」
青島は不本意そうに首を竦める。
「事件なんだから、仕方ないだろ」
「あら、じゃあ、室井さんが事件だからって女装して男に媚売ってても、青島君は平気なんだ?」
痛い所を突かれて、青島は押し黙る。
キャリアの室井がそんなことをする日が来ることは間違いなくないが、室井がそんなことをしてい
ると想像すると青島だって面白くない。
事件だから仕方ない。
仕事だから仕方ない。
そうは思うが、理性で割り切れるくらいなら苦労はしないのだ。
だからこそ、青島だって室井と連絡を取ろうとはしている。
何かの拍子でばれるくらいなら最初から室井に事情を話しておこうと。
そう思ってはいるのだ、が。
「だって・・・。あの人、こんな時に限って掴まんないんだよ。急な出張で地方に行ってるって。携
帯も繋がんないんだよ」
「あらら」
情けない表情でぼやく青島に、すみれは同情した。
もっとも、同情しても容赦は無い。
「それで?」
「はい?」
「結局、どれにする?」
「・・・・・・」
青島は結局、消去法でどの服が一番ましかを考えなければならないかった。
END
(2004.4.17)
少し前のお礼の小話の続きといえば続きです。
コレだけで話が分かるので良いかなぁと思ったのですが・・・。
小話も載せたほうが良かったら、拍手からでもBBSからでもご連絡ください〜。
読まれていない方もいらっしゃると思いますが、大した話ではございません(汗)
本当にコネタですので〜。
室井さんの地方出張ってありえませんか?
良く分からないので捏造・・・(そればっか/笑)
ネットで調べてみたのですが、ゲイバーでは女装しないようですね(たぶん)
正確にはどうなのか、良く分かりません・・・。
もしかしたら、青島君が潜入するのはゲイバーではなくてオカマバーになるのかなぁ。
曖昧でごめんなさい。
続きを書くようなことがあれば、もうちょっと調べてみます。