恋守護神 第2話
神集帝国、そこは神の加護を受ける国。
神集帝国、そこは神の集まる国。
神集帝国、そこに住む民は皆、守護者を持つ。
皇帝の守護神はその国を見守り、その国の繁栄に力を貸す。
しかし、その守護神に見放された時、その国は滅ぶ。
歴史書の一文
それはアオシマがまだ幼少の頃・・・。
朝の澄んだ空気の中、アオシマ(当時8歳)は神社の鳥居をくぐる。
そして賽銭箱に持ってきた小銭を入れる。
「どーか、俺にも守護者をください」
毎朝、神社や教会を巡りこのお願いをするのがアオシマの日課だった。
「いつになったら来るんだよ!!」
ついでにこの台詞を吐くのも日課である。
和久も花も『そのうちかならず』とはいうものの不安であることは
顔を見れば分かっていた。
和久たちを安心させるためにも早く守護者が欲しいと思っていたのだ。
「そんなことしたって賽銭泥棒が喜ぶだけじゃないの?」
どこからか少女の声が聞こえる。
「えっ!?誰?」
アオシマが辺りを見回してもそれらしい人影はなかった。
「毎日毎日、よく来るよね」
また声が聞こえる。
「どこだ〜!!」
「叫ばないでよ、近所迷惑」
「・・・」
気配を探るように息を殺すアオシマ。
「上、頭上」
そう言われて上を見ると鳥居の上に同じ年かすこし年下の少女が座っていた。
「だ、誰?」
「わたしはライト・アースクイーンズ・セイント・ナチュル・レクイム・ダーク」
「えっと?」
「だから・・・」
またあの長い名前を言おうとする少女。
「ストップ!」
「??」
「えっと、誰?」
「だから・・・」
やはり名前を言おうとする。
「名前じゃなくて」
「?・・・ああ!神様の見習い」
「はあ?」
「まだ修行中なの」
「神様の?」
「うん」
「じゃあ、神様になるんだ」
「そう、お父様もお母様も神様だから」
「ふ〜ん」
どうやら純血たる神らしい。子どもだけど・・・。
「あなたは?」
「俺はアオシマ。アオシマ・シュンサク」
「・・・アオちゃん」
「・・・アオちゃん?」
「アオシマだからアオちゃん」
「・・・名前、シュンサクなんだけど・・・」
「じゃあ、シュンシュン?」
「・・・アオちゃんでいい」
よく分からないあだ名を付けられるよりはマシである。
「で、守護者が欲しいの?」
「うん、俺・・・捨て子だからそれがいないんだ」
「ふ〜ん」
「それよりさ、降りてこないのか?」
「降りて欲しいの?」
「・・・俺こいつ苦手かも」
アオシマが呟くと、少女は鳥居から飛び降り、フワリと地面に降り立つ。
近くで見ると少女の右目は晴れ渡った空のような色、
左目は静寂に包まれた夜のような黒と深紫が絶妙に混ざった色のオット・アイ、
さらりとした長いストレートで青みがかった銀髪、黒地に桜霞みの丈の短い着物。
人外であることは一目瞭然の姿だった。
「で、なんで守護者が欲しいの?」
「和久さん、俺を育ててくれた人を安心させたいから」
「・・・誰でもいいの?」
「もちろん」
「どのくらいなら待てる?」
「いままでずーっと待ってたから・・・」
「じゃあ、わたしがアオちゃんの守護神になる」
「ええ〜!!」
「だめ?」
「だめじゃないけど・・・」
守護神、すなわち神を持つものは上層階級がほとんどだ。
人の姿をした神となると王族か、それに類するものくらいだ。
しかも純血である。
「なに?わたしじゃ嫌なわけ?」
「そんなことないけど・・・」
「それとも役者不足?」
「ううん」
「決めたから、神様になったらあなたの守護者になるって」
「そんな勝手に・・・」
「アオちゃんは迷惑?」
うるうるっと泣きそうな目をして見上げる(どこぞのCMの犬のように)。
「そんなわけないよ。うれしい」
「本当?」
「もちろん!!」
「よかった」
「えっと・・・名前」
「??ライト・・・」
「長すぎるんだけど・・・」
「う〜ん・・・」
「ねえ、どういう意味?」
「ライトは光、ダークは闇、そんで・・」
「じゃあ、光闇は?」
「こうあん?」
「光と闇で。目の色もそれみたいだし」
「いいよ、光闇です。よろしくね」
「こっちこそ」
「ねえ、光闇って何の神様?」
「わかんない」
「じゃあ、俺の守護神になっていいの?」
「大丈夫・・・だと思う」
出会いから1週間、2人ともかなり打ち解けたようだった。
「神様なら、上層階級の守護者にならなきゃいけないんじゃない?」
「べつに〜・・・わたしはアオちゃんの守護者だもん」
「・・・」
光闇が守護者になることはありがたいが、
もしかしたら彼女は別の者の守護者になる予定があるかもしれないと
聞いてみても回答はこれである。
「光闇って位あるの?」
「知らない」
「じゃあ何歳?」
「え〜っと・・・1,2,3」
「・・・あのさ」
「700・・・」
「・・・えっ?」
「720・・・くらい?」
「はぁ!?」
「神様は見た目と実年齢は違うもんだよ」
それにしたってと思うアオシマ。
しかし、言動には幼さが見られるものの内容等はとても高度なことだと感じていた。
彼女との出会いはアオシマの運命すら変えてしまうことを今は気付かずにいた。
NEXT
<後書き>
第二話。2人の過去編です。
もう少し過去編は続きます。
次回は国こととか神様、守護神の詳しい説明が書けたらいいです。