恋守護神 第1話












空が白み始めた時間、まだ人が動き出すには早い時間。

『〜荘』という名が似合いそうな1軒の古びた安アパート。

その外階段を駆け上がるモスグリーンのコートに茶髪の青年。そして2階の一番奥の
部屋へと消えていく。

その扉には「便利屋アオシマ」というプレートがかかっていた。



ここは神集帝国、文字通り神の集まる国なのだ。

この国の民は皆、守護神、守護天使、守護霊のどれかを持っている。

それが人の姿であったり、動物であったりそれは様々だ。

生まれたときから決まっている場合もいれば、成長後、契約という形で得る場合もあ
る。

またキリスト教的な天使もいれば、日本の天女もいる。



さて先ほどの青年、名はアオシマ・シュンサク。

彼は捨て子であった。「アオシマ・シュンサク」と書かれた毛布に包まって

あるアパートの軒先に捨てられていたのだ。

彼を拾い、育てたのが和久平八郎という便利屋を経営する人物だった。

彼と彼の守護霊(花という女性)のもとでアオシマは育った。

そして和久から便利屋のノウハウを教わり、独り立ちしたのだ。

和久自身はすでに隠居生活をしているが、我が子のようにアオシマのことを気にかけ
ていた。

それが原因かどうかは分からないが、アオシマには守護者の類がいなかった。



「今日の仕事は〜っと」

アオシマは壁に貼られているメモを調べる。

「夕方にすみれさんのとこのテレビの修理か・・・」

すみれとは食材店を経営する幼馴染の女性だ。

便利屋というか何でも屋・・・『困っている人の力になれ、仕事を選ぶな』これが和
久の教えだった。

「さ〜てと、一眠りしてから朝飯にしよ」

そういうとベッドにもぐりこんでしまう。

けして裕福とはいえない、いやほぼその日暮しの生活、身分も下層階級。

しかしアオシマは幸せだった。本当の親でなくとも自分を育ててくれた和久、たくさ
んの友人や知り合い。

親を恨んだこともあったが、成長するとともになにか理由があって仕方なくだったの
だと思えるようにもなった。

そして幼いころに交わしたある少女との約束。



「・・・配線を間違えただけって」

日も落ち、暗くなった道をアオシマは歩いていた。

すみれからの依頼で出向いたものの、取れてしまった配線を直すときに間違えただけ
と判明し、脱力。

しかも料金を食品で支払われたのだ。

「いいけどさ、カップ麺とか惣菜でも」

調理しなければならない野菜や魚などよりはましだと思い直すことにした。

何もしていないのに疲れてしまい、さっさと寝ようと自分の部屋の前まで来たとき、

扉の前になにかがいるのに気づいた。

「また・・・」

アオシマはため息交じりで呟く。

守護者を待たないが、その立候補者は多い。

アオシマの下に押し掛けては「契約、契約」とどこかの勧誘のように言うのだ。

そして神、天使、霊に関係なく、また人の姿をしたものも、動物のものもいた。

しかも人の姿をしたものはそのほとんどが男性だった。

しかし、アオシマはすでに守護神の約束をしていた。

「・・・なにしてんの?」

俯いてはいるものの少女のような人物にアオシマは気さくに声をかける。

「アオちゃん!!」

顔を上げた少女は満面の笑みを浮かべながら、青島を見上げた。

「もしかして・・・光闇(こうあん)?」

「うん」

アオシマの驚いたような声に少女は元気に頷いた。

「修行終わったの?」

「うん!!」

光闇と呼ばれた少女は、また頷いた。





彼女と再会したことでアオシマの運命は今、動き出した。









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<後書き>

後書きと言いますか言い訳と言いますか・・・。

第一話です。まだ室井さん出てきていません。

そのうち出てくるとは思います・・・。

オリキャラと青島くんとの関係は兄妹のような

幼馴染のような・・・。

次は2人の過去。

幼少の青島くんって書きにくい・・・。

素直にすべきか、ちょっとひねくれ系にすべきか・・・。





というわけで、藍玉様から頂きました!連載です!
いつぞや私が日記で叫んでいた「身分違い」モノです。
藍玉様、有難う御座いました(^^)

ファンタジーですね〜♪
光闇さんはオリジナルキャラですが、すみれさんチックな印象です(^^)
キュートなイメージです。
押され気味な青島君もキュートですがv

室井さんの出番を楽しみに続きをお待ちしております!