占い












二人分のコーヒーを入れてリビングに戻った青島は、暇つぶしに買った雑誌を室井が読み耽って

いるのを見て珍しいこともあると思った。

「何、見てんですか?」

趣味の雑誌だから室井の興味があるようなものが載っているとは思えない。

「すまない。勝手に」

「いえいえ、どうぞどうぞ。ただ室井さんが読んでもつまんないんじゃないかなーと」

テーブルにマグカップを置くと、青島は室井の手元を覗き込んだ。

覗き込んで固まる。

「・・・・・・・・・星占い?」

「ああ。星占いだ」

青島だって読んでる雑誌に載っていれば何となく目を通したりはするが、室井がそんなことに興

味があるとは意外と言えば意外だ。

信じたりするのだろうかと、ふと青島が考えていると首を傾げた室井が目を合わせてくる。

「星占いというくらいだから、占いなんだな?」

妙な質問に青島も首を捻る。

「は?はぁ、そうでしょうねぇ・・・」

「どこがだ?」

「はい?」

「上司への報告はきちんとしなければいけないとか、体力不足が原因で身体を壊すでしょうとか

・・・」

ああ、と青島は頷く。

確かに占いというわりには、ちょっと運勢とは言い難い占いが結構ある。

「仕事運が悪いのは分かったが、『苦労のしがいがあるでしょう』というのは、励ましになってい

るのか?」

励ますくらいなら悪運を回避する方法でも載せたらどうだと、室井が言うから青島は吹き出した。

雑誌の狭いスペースに載せる占いなら、運勢の良し悪しと簡単なアドバイスくらいなものしか載

っていない。

やはり室井は占いなど見ることはないらしい。

「ははは、そりゃそうっすね」

室井は雑誌を閉じながら、やっぱり首を捻っている。

その姿がなんだか可愛い。

「気休めですよ。良い事があるといわれればなんとなく嬉しいし、悪い事があるといわれればち

ょっと気になる・・・・・・その程度です」

「・・・・・・なるほど」

何となく納得したように頷いたが、新たな疑問にぶつかったらしく、再び視線を青島に寄こす。

「そもそもどうやって占うんだ?星で」

「さぁ?空の星を見て推測するんじゃないですか?」

「そうなのか?」

「嘘ですよ」

「・・・・・・・・・」

「すいません。ごめんなさい」

「・・・・・・・・・」

「血液型占いの方が何となく信憑性ありません?」

睨まれて怖いので話を変える青島。

「占い・・・?血液型は占いじゃなくて診断じゃないか?こういう傾向があるとかそういう性格だ

とか」

「あれ?そうでしたっけ?」

「靴を投げて裏面になったら明日は雨っていうのは占いか?」

「占い、かな?黒猫が目の前を通ったら不吉な事が起こるっていうのは?」

「・・・・・・違うんじゃないか?縁起が悪いと言われているだけだと思うが」

「人って字を手のひらに三回書くと緊張しないというのは、・・・・・・占いじゃないですね、全然」

「・・・・・・おい。何の話しだ?」


























END
(2005.8.27)


これも発掘です(笑)
拍手のお礼用に書いたお話でした〜。
これも随分古いな・・・。去年の今頃とかかなぁ。

意味の無いお話で申し訳ありませんでした(^^;

室井さんの疑問は私の疑問。
たまたま私が読んだ星占いで、
「仕事で苦労します。ですが苦労のしがいがあるでしょう」
みたいなことが書かれて、思わず小話にしてしまいました(^^;
「苦労のしがい」って・・・なんじゃそりゃ(笑)
占いじゃないですよね〜?
そんな慰めはいらないので、もうちょっと「こうするといい」とかないわけ?と思ったわけです。
いや・・・あれはあれで、苦労しなさいという道標だったのかしら!?(大笑)