たったそれだけのことで室井の心拍数が上昇する。
「あ、青島?」
みっともなく声が上ずるのも無理は無い。
片想いの相手が、自分の膝に手を置いて、じっと瞳を見つめてくるのだ。
落ち着いてなどいられない。
「室井さん」
青島の静かな声。
「な、なんだ」
「どうして言ってくれないんですか?」
「何を・・・?」
訝しげに聞き返すと、青島は上目使いで室井の顔を覗きこんでくる。
その瞳の力強さに、室井は動けない。
元から目に力のある男だが、いつもの明るい眼差しではなく、室井の見たことの無い色を見せて
いる。
誘うような唆すような青島の視線を避けるように、室井は身を反らす。
嫌なわけではないが、自分の知らない青島を見ているようで、どうしたら良いか分からなかった。
「室井さん」
それでもぐっと近づいてくる青島が、室井を捕らえて離さない。
「言ってください」
室井はもう「何を」とは聞けなかった。
言葉を無くした室井に、青島が抱きついてくる。
「欲しいって・・・言ってください」
「・・・っ、青島・・・」
いつの間に室井の気持ちがバレたのか。
青島はどういうつもりでこんなことを言っているのか。
室井のことをどう思っているのか―――。
呆然とする頭で思ったが、どれも言葉にはならなかった。
耳元に青島の息が掛かる。
その一息で理性が少しずつ、剥がされていく。
「言って、室井さん・・・」
言葉と一緒に吐息を吹き込まれる。
「抱きたいって、言って」
止めはこれ以上ないストレートな誘い文句で、室井には抗うすべなどなかった。
その身体を抱きしめて、床に押し倒していく。
ずっと触れたかった唇を奪った。
「青島!」
叫んで、室井は跳ね起きた。
一瞬、ここがどこだか分からなかった。
薄暗い部屋の中だが見間違えることは無く、室井の部屋である。
もちろん、ベッドに寝ているのは室井一人。
青島は帰ってしまった。
わけではない。
最初からいなかったのだ。
「・・・・・・俺は、何という夢を」
室井は眉間に皺を寄せて頭を抱えた。
室井の願望が見せたのか、とてつもなく自分に都合の良い夢を見ていたらしい。
青島が室井を誘ってくるわけはない。
それなのに。
「抱きたいって、言って」
とまで、言わせてしまった。
夢の中でとはいえ、いや、だからこそ、自己嫌悪に陥る。
「欲求不満なんだろうか・・・俺は」
溜息を吐いて、目を閉じた。
脳裏に浮かぶのは、真っ直ぐに射抜く強い眼差し。
それは室井が惚れた青島の眼差しだが、夢の中の青島はそれだけじゃなかった。
強い眼差しなのに、どこか濡れていて色っぽかった。
そんな顔など、当然だが一度も見たことがない。
―・・・夜はあんな顔もするんだろうか・・・。
思って、ハッとする。
「俺は何を考えて・・・」
どんどん邪になる思考に、室井はまた頭を抱えた。
自分の夢に自分の限界を悟った室井は、翌日青島に告白した。
END
(2005.7.6)
室井さんがというか、私が頭痛いですね。
ていうか、イタイです(笑)
これはもう、ご本尊のライブDVDを見て、一人悶えた結果です。
「030」という曲を歌われるご本尊のセクシーさに心打たれました(?)
「抱かれたいと呟いてごらん」なんて、あの目で、あの声で囁かれたら
恥も色気も捨てて「抱いてー!」と大絶叫することでしょう(・・・)
んで、当然のように室青変換したわけですがー・・・
うちの青島君、誘うときは普通に押し倒したり、「やりましょう!」と言うような気がしまして(苦笑)
「抱かれたい」とは言わないだろうし、「抱きたい?」とも中々聞かないんじゃないかと〜。
そしたらもう、後は夢オチしかありません(おいおい)
私の妄想を室井さんに夢に見て頂きました。
バカ話。
ギャグと思って頂ければ幸いです!(汗)