■ HAPPY NEW YEAR
青島はまだ熱の篭った身体をベッドに投げ出していた。
隣に寝そべっていた室井が、手を伸ばしてくる。
黙って髪を梳いてくれるから、青島は目を閉じて微笑んだ。
「…あ」
思わず呟いて目を開けると、不思議そうな顔の室井と目が合った。
「どうした?」
「除夜の鐘」
「え?」
「聞こえません?」
一瞬二人が口を閉ざすと、微かに鐘の鳴る音が聞こえる。
「ああ…本当だ。もうそんな時間か」
サイドテーブルに手を伸ばして腕時計を手に取ると、時間は正午をいくらか過ぎていた。
室井が青島を見て微笑んだ。
「今年もよろしく」
「こちらこそ!」
青島は身体を起こして室井に覆い被さると、軽くキスをした。
ニコッと笑うと、後頭部に室井の手が回される。
「青島…」
せがまれるままに、何度か唇を重ねる。
と、身体を反転されて、室井を見上げる形になる。
室井の唇が顔中に降ってくる。
青島はくすぐったさに笑いながら、室井の首に腕を回した。
室井の唇が首筋に滑り落ちると、小さく声を漏らして息を飲んだ。
「…俺達」
「ん?」
「ちょっと、煩悩祓ってもらったほうがいいかも知れませんね」
青島が舌を出して笑うと、室井は目を丸くする。
それから苦笑した。
「全くだな」
青島は回した手で室井の髪を弄りながら呟く。
「108って本当かな」
「…俺はもっとありそうだ」
「ええ?室井さんがぁ?」
思わずムードもへったくれもない声をあげてしまう。
室井に108以上あるなら、自分は一体どれくらいあるんだろう。
そんなことを考えていると、室井が額をつき合わせてひっそりと笑った。
「君が絡むと煩悩だらけだ」
青島は目を丸くした。
照れくさいが、嬉しい。
そう思った青島の煩悩も、きっと室井と大差ない。
青島はやんわりと微笑んだ。
「それは、除夜の鐘じゃ祓えませんね」
室井の頬に両手を添えると引き寄せる。
素直に近づいてくる室井の唇にキスをした。
「俺が祓いましょう」
そう言うと、室井が笑って頷いた。
END
2005.1.1
あとがき
祓った後から増えることうけ合いの煩悩ですね(笑)
元旦に何かアップしたい!というだけで必死に捻り出した、捻りのない話です(おい)
青島君や室井さんの住んでいるところで除夜の鐘が聞こえるのかどうかは分かりません;
捏造です…申し訳ありません…。
本年も宜しくお願い致します!
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