得て不得手












「・・・・・・」

「・・・ぁ・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・くっ」

「気持ち、いいですか?室井さん」

「・・・ん・・・」

「ここ?」

「・・・あぁ・・・・・・随分、上手くなったな・・・っ」

「そりゃあ、もう。室井さんに仕込まれましたから」

「良く言う・・・」

「事実でしょ?室井さんがしてくれたこと、してるだけだし」

「・・・くっ・・・初めの頃は、力任せにするだけだったのにな・・・」

「あは。初めて俺がやった時、室井さん悲鳴上げてましたっけね」

「・・・っ、そこ、」

「あ、ここ、気持ちいい?」

「ああ・・・痛くて、気持ちいい・・・」

「室井さんの、ツボ。大分分かってきました、よっと」

「うっ」

「ここでしょ?」

「あだだだだだ」

「あれ?また力入れすぎました?」





マッサージをしていた青島は慌てて室井の背中から手を離した。

「いや・・・、まあ、大丈夫だ」

軽く背中を押さえて横になっていた室井が起き上がる。

やはり結構痛かったようだ。

「すいません」

青島が申し訳なさそうに謝ると、室井は青島の頭を撫ぜて苦笑した。

「ありがとう。交代しよう」

促されて、今度は青島が横になる。

その青島の上に身体を乗り上げて、室井が背中を押してくれる。

室井はマッサージが上手いので、してもらう側はかなり気持ちがいい。

「・・・っ」

うつ伏せになった青島は眉根を寄せて、声を漏らした。

「痛いか?」

「・・・ん・・・大丈夫・・・です」

押さえた青島の声で、一瞬室井の手が止まる。

低く「そうか」と返して、再び室井の手が動き出した。

「・・・・・・」

「・・・くっ」

「・・・・・・」

「・・・ぁ・・・気持ちいいです・・・」

「・・・・・・」

「あぁ、そこ、もっと・・・」

また、室井の手が止まる。

青島は不思議に思って、首を捻って室井を見上げた。

「むろいさん?」

眉間に皺が寄ってしまっている。

「むろ・・・」

再び呼びかけた青島の唇がいきなり塞がれる。

室井の唇で。

青島は目を真ん丸くして、至近距離の室井の顔を見た。

「・・・すまない」

本の少しだけ唇を離して、室井は眉間に皺を寄せたまま謝った。

青島にはなんのことだか分からない。

目を白黒させていると、急に肩を掴まれて、ひっくり返される。

「む、室井さん!?」

「後で、ちゃんとマッサージしてやるから」

「え?」

「とりあえず」

「は、はい?」

「もっと気持ち良いことしよう」







癒されるどころか余計に疲れを溜め込んだ青島。

膨れっ面の青島に全身マッサージを施す室井の顔が幸せそうだったなんてことは、秘密である。


























END
(2004.11.17)


母親の背中をマッサージしているうちに、浮かんだ話です。
お母さん、ゴメンよ・・・こんな娘で・・・。

ありきたりのネタでごめんなさい。
「青室!?」とか驚いてくれた方がいると嬉しいです(無理か・・・)
タイトルが一番悩みました(笑)
もうなんでもいいや、と思いまして微妙にずれたタイトルです。
重ね重ね申し訳ないです・・・;