不戦敗












「・・・っ、あっ・・・」

「・・・・・・・・・」

「くっ・・・あ、ああ、ダメだっ・・・」

「・・・・・・・・・」

「そこっ、あ、あ、あ、」

「青島・・・」





室井は耐えかねて、声をかけた。

これ以上は我慢が出来るか分からなかった。

「ああ!」

「青島」

イライラしたように再度呼ぶと、ようやく室井を見た。

「はい?」

「・・・もうちょっと、静かに見てくれ」

「あ、すいません」

テレビの前で握りこぶしを握っていた青島は、室井を振り返って苦笑した。

室井がイラついていると勘違いしたのか、謝罪してくる。

「つい、力が入っちゃって」

舌を出した青島に、室井は溜息を吐いた。

青島は先程から、オリンピック中継に夢中なのだ。

おかげでずっと聞くに堪えない声をあげている。

変な声ではない。

どちらかというとイイ声だから、困っているのだ。

「・・・・・・っ、・・・あっ!」

室井の視線の先には、真剣にテレビに見入っている青島がいる。

オリンピックに夢中になっている青島は気がつかない。

室井が一人苦悩していることなど。

―これだけ夢中になっているのだから、邪魔をしたら怒られるだろうな・・・。

と、思いつつ、溜息を吐いた。

無心で応援している青島の邪魔は、室井だってしたくない。

したくはないが。

耳から入ってくるのはベッドの中と勘違いしそうな声で、どこまで耐えられるか分ったものじゃな

かった。





「・・・あ、ああっ」

「・・・・・・・・・」

「ダ、ダメだって!・・・っ、あああっ」

「・・・・・・・・・」





選手と一緒になって戦う青島。

その背後では室井が必死に理性と戦っていた。

形勢は圧倒的に、理性の不利。

青島の声援が本当の嬌声に変わるのも、時間の問題だった。



























END
(2004.8.16)


ほぼ不戦敗(笑)

くだらなくて、ほんっとにすみません(^^;
タイムリーなネタをやっときたいなぁと思ったら、こんなことに。