最初の1分は。
話が見えてくるにつれて、青島は呆れた表情になる。
そして、酷く真剣な様子の室井に困惑し心配して、最終的には同情までした。
「今後のためにも、なんとかするべきだと思うんだ」
「な、なんとかって・・・」
「このままじゃ、青島だって不愉快だろう」
確かに楽しかないけど、と思う。
「弱みを握るというのはどうだろう」
室井らしくもない発言に、青島はぎょっとする。
だがあまりにも真剣な表情の室井に、青島は何も言えなかった。
溜息を吐いて、話にのってやる。
「弱みって、何か心当たりでもあるんですか?怖いものなさそうですよ?あの人」
室井はしばらく考え込んで口を開く。
「・・・・・・奥方」
「・・・・・・奥様に何しようってんですか」
更に難しい表情になる室井。
「何も出来ないな」
「当然です」
まだ思考回路に理性が残っているようで、青島は少しだけ安心した。
「監察官に突き出すか、本当に」
「それって、俺たちが日頃言われてることとかを訴え出るってことですよね?
・・・へたしたら、俺たち二人ともクビじゃないっすかね?」
「・・・・・・・・・・・・」
渋面になる室井を見て、青島はよほど室井が追い詰められていることを悟る。
あまりにも室井が可哀想になり、他に何かないかと青島も考える。
「他にないんですか?お化けが怖いとか、雷が苦手とか、ピーマンが嫌いとか」
青島は思いつくままにあげる。
なるべく被害に合うのが本人だけで、しかもなるべく平和的な嫌がらせを。
「・・・小学生みたいだぞ」
「・・・そうっすね。そんな可愛いタマじゃないですもんね」
「盗聴でもするか」
真顔でとんでもないことを言う室井。
目を剥いた青島は、どこまでも真面目な室井に溜息を吐いた。
「そんな無茶な」
日頃の恨みとは恐ろしいと改めて思う。
一倉捜査一課長対策委員会。
本庁もしくは湾岸署にて、そんな委員会が開かれるのもそう遠くないかもしれない。
END
(2004.4.29)
追い詰められる室井さん。
窮鼠猫を噛むです(違)
頑張れ、室井さん!
・・・お前が言うな、という室井さんの声が聞こえてきそうな(笑)