22.「昔々あるところに」












「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

背後から室井に抱きしめられた形で横になりながら、青島はちょっと困っていた。

初めて室井と抱き合った。

後悔しているわけではない。

室井と抱き合えたことも、今もこうして腕の中にいられることも、すごく幸せだと思う。

だけど、ちょっとだけ気まずい。

つい先程までの自分を思い出すと、どうしても室井の方を向けない。

幸いなのは、背中に触れる室井の体温が酷く心地よいことだ。

室井がどう思っているのかを気にしつつ、青島は身動ぎせずにその腕におさまっていた。

「青島」

急に声を掛けられて、青島は驚きながらも慌てて返事をした。

「はい?」

「・・・何か話してくれないか?」

青島は思わず小さく吹き出した。

「何かってなんですか」

「・・・何か無いか?」

室井も気まずくて困っていたのだろう。

きっと悩んだ末に、青島に声を掛けてくれたのだ。

自分だけじゃないと思うと、青島の身体から力が抜けた。

「・・・・・・・・・昔々あるところに」

青島が言うと、今度は背後で室井が吹き出した。

「なんだそれは」

「室井さんが何か言えっていうから」

クスクス笑って答えると、ふいに室井が青島のむき出しの肩に唇を落とした。

「・・・続きは?」

肩だけじゃなくて、首筋にも落とされる。

青島は笑みを零しながらくすぐったさに身をよじった。

それでも、室井は止めない。

肩に首筋に、小さな音を立てて何度も口付けられた。

「続きが気になるなら、それ、止めて下さい」

耳たぶに室井の唇が触れて、甘噛みされる。

「困ったな」

肩を捉まれて、仰向けに寝かされる。

青島が見上げると、室井の酷く優しい瞳にぶつかる。

「続きよりも、君が気になる」

青島は黙って室井の首に腕を回した。

















END
(2004.5.17)


は、恥ずかしい・・・。
夢見すぎです(笑)
初夜(言うな)ということで、見逃してやってください。