少し先を歩く青島の後ろを歩きながら、室井はその後姿を見つめる。
特に会話はない。
何があったわけでもないが、二人ともなんとなく黙っていた。
たまにこんなことがある。
場所は互いの部屋だったり、湾岸署の喫煙所だったり、今みたいに道端だったり。
気まずくない沈黙もあるということを、室井は青島と付き合うようになって初めて知った。
居心地は悪くない。
青島は何が気になるのか、街路樹を眺めたり空を見上げたりしていた。
室井は黙ってその背中を見つめている。
その背中が不意に立ち止まる。
青島の視線は空に向いたまま。
室井はその青島の横顔を見つめた。
ふと青島が室井を振り返える。
ちょっと驚いた顔をしている室井に、青島は人差し指を空に向けてみせた。
それに従って、室井も空を見上げる。
星が見えた。
満天の星空とは言えないけど、星など滅多に見る機会がない室井には新鮮だった。
少しぼんやりと見入ってから、視線を青島に移すと室井を見ていたらしい青島と目が合う。
「きれいっすね」
「そうだな」
「室井さん」
「うん?」
何が嬉しいのか、青島が微笑んだ。
「ずっと一緒にいましょうね」
驚いた室井に構わず、青島は歩き出した。
「青島?」
「今、室井さんと一緒で良かったなーって思ったから。なんとなく言っとこうと思って」
室井はもう一度空を見上げた。
空を見上げて星が綺麗だと思うことなど、もう随分なかった気がする。
少なくとも田舎を出てからはなかった。
青島がいなければ、今も空を見上げることはなかっただろう。
視線の先で、青島が上機嫌で笑っている。
室井は隣に並んで青島の手を握った。
END
(2004.6.17)
まったりした話ですね・・・。
先日遅く帰宅したときに、すごく綺麗な星空を見ました。
それで、なんとなく浮かんだ話。
短くてごめんなさい・・・。
そして、無知でごめんなさい。
東京でも星空って見れますよね?(汗)