体育座りをした青島がぼやく。
「だから言ったろう。二人で入るのは無理だって」
青島と向かい合わせでやっぱり体育座りをした室井が呆れ気味に言った。
思わず唇を尖らす青島。
「だって、二人ともあのままじゃ風邪引いちゃいましたよ」
青島宅に向かう途中で雨に当たったのだが、生憎二人とも傘を持っていなかった。
「・・・俺はシャワーだけでいい」
「あ、だめですって!マジで風邪引きますから」
出ようとする室井の腕を掴んで引き止める。
と、それだけで二人が入って水位がいっぱいいっぱいだった湯船からお湯が流れ出た。
「わっ、わかったから、暴れるな」
「暴れたわけじゃないですよ、失礼な・・・・・・」
青島は軽くいじけ気味だ。
注意をされたのが不服でいじける辺りが小学生のようで可笑しいが、笑えば現状悪化するだけなの
で室井は何食わぬ顔で水道の蛇口を捻った。
「湯を足そう」
「温泉行きたい」
青島が唐突に言った台詞に室井は苦笑した。
「突然だな。・・・というか、単純すぎないか?」
「温泉、行きたくありません?」
軽く、室井の突っ込みをシカトする。
「・・・・・・そうだな、行きたいな」
「でしょー。次休みが重なったら日帰りで行きません?」
室井の同意が嬉しかったのか、満面の笑みで誘う。
「どうせななら一泊がいいな」
室井の返事に、青島が破顔する。
「なんだ。ノリ気じゃないですか」
「・・・・・・君が誘うからだ」
視線を青島から逸らして呟く室井。
青島は一瞬きょとんとしてから、照れくさそうに頬を掻いた。
「俺のせいっすか」
「君のせいだ」
「俺が誘ったら南極でも行ってくれますか」
「・・・・・・・・・君がどうしても行くというならな」
「付き合い良いですね」
からかうように笑う青島に、室井はちらりと視線をくれた。
「じゃなくて」
「?」
「心配しながら待ってるくらいなら、一緒に行く方がましだ」
再び室井が視線を外す。
照れくさいのだろうが、それは青島も一緒。
「それは・・・・・・、お手数をお掛けします」
とんちんかんなことを言って、あらぬ方へ顔を背けた。
のんびり温まってから、二人揃って風呂を出る。
「やはり二人で入るには少々厳しいな」
ゆったりするどころか小さくなって入ったため肩がこったらしく、室井が肩を回している。
その横で青島は笑った。
「あ、でも、二人で入る利点もありましたよ」
「何だ?」
「お湯が少なくて済む」
「・・・・・・貧乏くさい利点だな」
END
(2004.3.16)
お風呂に入ってる意味が無いくらい色っぽく無い話です(笑)
でも、いちゃいちゃはしてますよね?ね?
書きたかったのはお風呂で体育座りをする青島君です。
冒頭だけかい、って感じですね。
前後もうちょっと書こうかと思ったのですが、SSSじゃなくなりそうなので止めました。
今度はもう少し色っぽいお風呂話を…。
なぜ風呂に拘る(笑)