■ せくはら(1)
「ダイエット?」
室井が席で携帯電話で話しながら漏らした台詞に、一倉が怪訝そうな顔をした。
それに気付いて、室井は一倉に背中を向ける。
「身体に害があるような方法でやってるんじゃないだろうな?」
ぼそぼそと尋ねては、頷いていた。
「…なら、いい。無理はするなよ。今日はうちで飯を食おう」
それから、二言三言交わして電話を切る。
室井が電話を終えると、にやにや笑う一倉に出迎えられてげんなりする。
「青島か」
室井が飯を食わせる相手など他にいないので、バレバレだ。
なので室井の返事など待たずに、重ねて尋ねてくる。
「ダイエットしてるのか」
女じゃあるまいしと言うので、室井が軽く睨む。
「俺たちももういい年だからな。放っておくと腹回りが気になるらしい」
「なるほどな。誰かさんが旨いもの食わせるし?」
「…余計なお世話だ」
からかい口調の一倉をなるべく相手にしないようにさらりと流す。
ここで相手になると一倉の思うツボだからだ。
「でも、良かったな」
一倉が一人納得したように呟く。
続きを聞かなきゃいいとは思うのだが無視するわけにもいかず、室井は律儀に聞き返す。
「……何が」
「青島が痩せてくれると、お前も楽だろう?」
「…?別に俺には関係ないだろう」
担いで歩くわけでもあるまいし…と思った室井は、少しズレていた。
「腰にくるだろ、そろそろ」
「は?」
「上に乗っ…」
室井は手元にあった書類の束を一倉の顔面に投げつけた。
「お前というヤツは…っ」
赤面しつつ呻く室井。
「なんだよ。俺はお前の腰を心配してるんだぞ?」
「嘘を吐け!というか、余計なお世話だ!」
「青島も案外そのために…」
「そんなわけあるか!」
「分からんぞ?最近のお前に物足りなさを感じ」
「黙れ!いや、黙らすぞ!」
何をする気だ、室井管理官。
室井の精神衛生上、本当に一倉を黙らす方法を考えた方がいいかもしれない。
END
2004.6.23
あとがき
アンケートでとても人気があったので、軽くセクハラ一倉さんを(笑)
とてもストレートなセクハラですね。
あ、触る方がもっとストレートですが(それがどうしたー)
もっとストレートなのが題名ですね(笑)
なんとか、ならないものか…;
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