■ ぷちぷち。
プチプチ。
「青島」
ソファーに座って本を読んでいた室井は、室井に背を向けて床に腰を下ろしている青島に声をかけた。
「なんすか?」
振り返りもせず返事を寄こす青島。
室井はちょっと眉間に皺を寄せて手にしていた本に栞を挟んだ。
「何してるんだ?さっきから」
「んー、これです」
言いながら、手にしていたビニールのシートを見せてくる。
室井が持参した頂き物のクッキーの缶に入っていたプチプチシートだった。
それで、プチプチと音がしていたのだ。
室井が納得すると、青島は再び両手でそれを抱えた。
プチプチプチ。
「…青島」
「なんすか?」
「楽しいのか?それは」
「えーと、楽しいっつーか、和む?」
そう言ってから青島は振り返った。
「室井さんも、します?」
ちょっと面食らっているうちに、青島がそのシートを差し出してくる。
室井はほとんど反射的にそれを掴んだ。
プチ。
反対側を掴んだままの青島が、相変わらずプチプチと空気を抜いて遊んでいる。
「……」
あまりにも幸せそうな青島につられるように、室井も何となく手を動かしてみる。
プチプチプチプチ。
プチプチプチ。
プチ。
「…室井さん」
「…ん?」
「楽し?」
「…というか、和むな」
「ぷぷ。でしょ?」
破顔すると、青島はシートから手を離す。
室井は首を傾げた。
「青島?」
「後、少しだけ。室井さんに幸せのお裾分け〜」
などと、ちょっと可愛いことを言う。
見ると確かに、室井の手元に少しだけ残っているだけで、後はすべて空気が抜けていた。
青島は「クッキーいただきますね」と言って、また室井に背を向け、今度はテーブルに向かった。
クッキーには手もつけずにプチプチシートと戯れていたらしい。
室井は苦笑した。
「青島」
「ハイ?」
振り返った青島に触れるだけのキスをする。
きょとんとする青島に、室井は言った。
「幸せのお裾分けのお礼」
END
2004.4.4
あとがき
プチプチシートが好きなのは私です(笑)
あれ、ついついやっちゃいませんか〜?
プチプチシート一枚でいちゃいちゃできるなんて、
この人たちはどこまでバカップルなのでしょうか…(お前のせいだよ)
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