「いい加減にしろ」
「そうむきになるなよ」
目の前には日本酒を水のように飲むキャリアが二人。
ことの発端はいつものように、一倉の戯言だった。
室井をからかうのが楽しくて仕方が無いと公言して憚らない一倉にかかれば、室井も形無しである。
「監察官に突き出すぞ、本当に」
「出来るものならな。叩くと埃が出るのはお前の方だろう」
「一倉!」
今にも怒りが頂点に達しそうな室井と、それを鼻で笑う一倉。
「上司が部下に手を出しちゃまずいだろ」
「下世話な言い方するな」
「綺麗な言い方をしたって、やってることは一緒だろうが」
「お前よりましだ。奥方を騙して結婚したくせに」
「それこそ人聞きが悪いだろ。何を根拠に」
「詐欺でもなかったら、誰がお前と結婚するんだ」
「世の中には物好きな人間もいるんだよ、青島みたいにな」
青島は突然グラスを勢い良くテーブルに置いた。
ドンっという音に、どこまでも続きそうな口喧嘩を止めて室井も一倉も何事かと青島を見る。
見ると、目が据わっている。
かなり酔いが回っているようだ。
あまりお目にかかることのない青島の形相に、室井と一倉が顔を見合わせる。
「あ、青島?」
室井が声をかけるが、青島はシカトしてキッと一倉を睨んだ。
「一倉さん」
「な、なんだ」
いつにない妙な迫力に、一倉まで押される。
「そこに、正座してください」
「お」
「いいから、する」
青島が自分の目の前を指して繰り返す。
しばらく睨みあってから、一倉は大人しくそこに正座をする。
それを満足そうに見てから、今度は室井を睨む青島。
「室井さんも」
「あお・・・」
「早く」
取り付く島もないというか、にべも無いというか・・・。
半眼になった青島に促されるまま室井も正座をする。一倉の横に。
「いいですか、二人とも」
胡坐を掻いた青島は、腕を組んで二人を睨みつけた。
「いい大人が寄ると触るとケンカしないでください」
「いや、青島・・・」
「俺はケンカしてるつもりは・・・」
キャリアの弁解に耳を全く貸さない青島。
「うるさい」
ぴしゃりと言われて、室井も一倉も絶句する。
「全く。だいたいですね・・・・・・」
青島の説教がこの後小一時間続いた結果。
一倉は室井で遊ぶのもほどほどにしようと思い、室井はこの三人で飲むのだけはもう止めようと思
ったとか。
END
(2004.3.29)
勝者は青島君です。
たまには、一倉さんにも後悔していただこうかと・・・。
ちなみに、一倉さんは室井さんと青島君のお付き合いを否定しているのではなく、
ただただ室井さんをオモチャにしたいだけです。
・・・どうでも良い設定ですが(笑)
室井さんも勝たせてあげたいんですけど・・・。
ネタが浮かびません(笑)
そのうち、いつか、きっと。